40代になってから、こんな変化を感じるようになりませんか。
「夏でも手足が冷える」「食後になんとなく胃が重い」「疲れが溜まると、体の芯から冷えてくる感じがする」
冷えや胃腸の不調は、40代女性が特に感じやすい変化のひとつです。ホルモンバランスの変化、自律神経のゆらぎ、代謝の低下——いくつかの要因が重なりやすいこの時期に、内側から体を整えてくれる存在として、私が日常的に取り入れているハーブがあります。
ショウガ(ジンジャー)
台所に必ずある、あの身近な根茎です。でも実はショウガは、数千年にわたって世界中で医療に用いられてきた、深い歴史を持つハーブでもあります。
ショウガってどんなハーブ?
学名:Zingiber officinale 科名:ショウガ科 使用部位:根茎 原産地:熱帯アジア
ショウガは熱帯アジア原産のハーブで、古代から医療に役立てられてきました。インド・中国・中東・ヨーロッパと、文化を越えて世界中に広まった数少ない薬用植物のひとつです。
中国では古くから生のショウガを「生姜(ショウキョウ)」、乾燥させたものを「乾姜(カンキョウ)」と呼んで区別し、それぞれの働きを使い分けてきました。生姜は胃腸の働きの停滞や吐き気・風邪の諸症状に、乾姜は腰痛や胃痛に用いられるとされています。
インドネシアのバリ島やジャワ島に伝わる伝統的な植物療法「ジャムウ」でも、ウコンと並んでショウガは処方の中心として用いられてきました。また乗り物酔いや手術後の吐き気、妊婦のつわりにもペパーミントと同様に用いられてきた歴史があります。その長い歴史が、ショウガの力を今日まで伝えています。
生と乾燥で働きが変わる——ジンゲロールとショウガオールの話
ショウガを理解するうえで、ぜひ知っておいてほしいことがあります。生のショウガと加熱・乾燥したショウガでは、含まれる成分が異なり、体への働きも変わるということです。
生のショウガ:ジンゲロールが豊富 生のショウガには「ジンゲロール」という成分が多く含まれています。胃腸の動きをサポートする働きや、吐き気を和らげる働きがあるとされています。体の表面を温めて発汗を促す作用があるため、風邪のひき始めや吐き気対策、魚・肉料理の薬味として向いています。
加熱・乾燥したショウガ:ショウガオールが豊富 ショウガを加熱・乾燥すると、ジンゲロールが「ショウガオール」に変化します。ショウガオールは体の深部を温める働きが強く、血行を促進する力が高まります。冷えの慢性的なケアには、乾燥・加熱したショウガのほうが向いているとされています。
「ショウガを食べているのに温まらない」と感じる方は、生のショウガだけを摂っている場合が多いかもしれません。冷え対策には、加熱したショウガや乾燥ショウガを積極的に取り入れてみることをおすすめします。
40代の体とショウガがつながる理由
40代になると、体の変化としてよく挙げられるのが「冷え」「胃腸の疲れ」「疲労の蓄積」です。
ホルモンバランスの変化で自律神経が揺れやすくなると、血行が滞り、冷えが生じやすくなります。また消化機能も変化しやすく、以前は平気だったものが胃に重く感じられるようになることも。
さらにショウガはプロスタグランジンなどの炎症に関わる物質の生合成に影響することが報告されており、関節の不快感や月経痛などへの働きかけが研究されています。40代に重なりやすいさまざまな体の変化に、ショウガはやさしく寄り添ってくれる存在です。
ショウガの主な働き
◎ 体を温める ショウガオールが血行を促進し、体の内側から温感をサポートします。慢性的な冷えが気になる方には、乾燥ショウガや加熱したショウガを継続的に取り入れることがおすすめです。
◎ 胃腸の働きをサポートする 胃腸の動きや消化液の分泌をサポートする働きがあるとされています。食後の胃もたれや膨満感が気になるとき、少量のショウガを取り入れると体感が変わることがあります。
◎ 吐き気を和らげるサポートに 乗り物酔いや妊娠中のつわり、術後の吐き気などでショウガの有用性が報告されています。植物療法において吐き気への対処として古くから用いられてきたハーブです。
◎ 抗炎症・鎮痛への働きかけ 関節の不快感や月経痛などへの働きかけが研究されています。効果には個人差があり、継続的な使用が必要とされています。
季節や体調に合わせた使い分けと取り入れ方
◎ 冷えが気になるときは「加熱したショウガ」を 体の深部から温めたい場合や慢性的な冷えのケアには、加熱・乾燥したショウガが向いています。蒸す・煮る・紅茶に入れるなど、熱を加えた形で取り入れることで、ショウガオールの働きを活かせます。朝の冷え対策なら「加熱した生姜を少量」が最も使いやすい方法です。
◎ 風邪のひき始めや吐き気対策には「生のショウガ」を 体の表面を温めて発汗を促したいとき、乗り物酔いや胃の不快感が気になるときは、生のショウガを少量使う方法がよく紹介されています。
◎ 量の目安
- 生ショウガなら1日10g程度、おろしショウガなら小さじ1杯程度が目安
- 乾燥ショウガは1日3g程度が目安
- 胃が弱い方は、少量から始めるほうが安心です
毎日続けやすい、ショウガを「食べる」習慣
ショウガを「体に良いから飲む」だけでなく、「毎日の食卓に自然に取り入れる」という発想が、長続きの秘訣です。
◎ 生姜紅茶 紅茶にすりおろし生姜を少量入れるだけ。毎朝続けやすく、体が温まる感覚を実感しやすい一杯です。
◎ 生姜湯 お湯にすりおろし生姜とはちみつを少し加えるだけ。就寝前に飲むと、体の内側からじんわりと温まりながら眠れます。
◎ 味噌汁・スープに加える 毎日の食事に少し加えるだけで無理なく続けられます。加熱して使うため、冷え対策としても効果的です。
◎ 炒め物・煮物に使う 加熱することでショウガオールが増え、冷え対策になります。
◎ 漬けものでショウガを食卓へ
ショウガを食卓に取り入れるもうひとつの方法として、漬けものも意外と見逃せない選択肢です。
京都・洛北大原に伝わるしば漬の伝統を受け継いだ「京つけもの ニシダや」のおらがむら漬は、胡瓜を生姜・茄子・茗荷・紫蘇の葉とともに漬け込んだ逸品です。さわやかな酸味とパリパリとした歯ごたえが楽しめ、ごはんのお供としてはもちろん、おにぎりやチャーハン、ちらし寿司にも使える汎用性の高さが魅力です。
毎日のごはんに添えるだけで、自然にショウガを食卓に取り入れられる——そんなやさしい習慣として、ぜひ取り入れてみてください。
気になる方はこちらも参考にしてみてください。
使うときの注意点
身近な食材ですが、薬用として取り入れる場合は次の点にご注意ください。
- 胃が弱い方は、摂りすぎると刺激が強く感じられることがあります。少量から始めて様子を見てください
- 生のショウガを大量に摂ると、放熱を促して逆効果になる場合があります。適量を心がけてください
- 妊娠中の方は、食品としての少量使用は一般的に紹介されていますが、大量摂取やサプリメント形式での使用は専門家に相談した上で行うことをおすすめします
- 持病がある方・薬を服用中の方は、継続摂取量を控えめにするか、事前に医師や専門家にご相談ください
私の「ショウガ時間」
◎ 朝、体がなんとなく冷えているなと感じる日 ◎ 食後に胃が少し重く感じるとき ◎ 季節の変わり目で体調が揺れやすいとき
生姜紅茶をひとつ作りながら、その香りと温かさを感じる時間が、私にとっての朝のリセットの儀式になっています。
強く体を引き上げるのではなく、内側からじんわりと温めて整えていく——それがショウガのやさしい強さです。
台所にいつもあるあの根茎を、今日から少しだけ「体を整えるハーブ」として向き合ってみてください。毎朝の一杯が、そして毎日の食卓の一品が、じんわりと、確かにあなたの体を育てていきます。
それが、私にとっての【緑の処方箋】ショウガです。
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