二十四節気「立夏」の過ごし方

①【暮らしと備え】

初夏の風を感じながら、40代の体と暮らしを整える

ゴールデンウィークが終わり、街の空気がふっと変わる頃。

風がやわらかくなって、緑がいっせいに眩しさを増して、「あ、夏が来た」と感じる瞬間がありませんか。

その感覚はきっと、暦が知らせてくれているサインです。

2026年の立夏は5月5日。二十四節気の第7番目にあたるこの節気は、暦の上で「夏のはじまり」を告げる日です。本格的な暑さが来る前の、爽やかで心地よい初夏——立夏はそんな季節の入り口に静かに佇んでいます。

今回は、立夏という節気が持つ意味と、この時期に体と暮らしを整えるためのやさしい習慣をご紹介します。

立夏とはどんな節気?

二十四節気とは、一年を24等分して季節の移り変わりを表した暦のしくみです。立夏はそのうちの第7番目にあたり、「夏の立つ日」、つまり夏のはじまりを意味します。

立春・立夏・立秋・立冬の4つは「四立(しりゅう)」とまとめて呼ばれ、それぞれの季節の入り口を告げる特別な節気です。また、それぞれの前日は「節分」にあたります。現在は立春前の節分(豆まき)が特に有名ですが、本来は年に4回、節分があるのです。

2026年の立夏は5月5日から始まり、次の節気「小満(しょうまん)」の5月21日まで続きます。ちょうど子どもの日からゴールデンウィーク明けにかけての、爽やかな初夏の期間です。

七十二候——自然界が教えてくれる立夏のリズム

二十四節気をさらに細かく分けた「七十二候」では、立夏の期間に自然界で起きる3つの変化が記されています。

蛙始鳴(かわずはじめてなく) 田んぼや水辺からカエルの声が聞こえ始める頃。春の終わりから夏へと向かう、生命力あふれる声です。

蚯蚓出(みみずいづる) ミミズが土の中から出てきて、土を耕し始める頃。大地が夏に向けて動き出すサインです。

竹笋生(たけのこしょうず) タケノコが地面を突き破って勢いよく成長する頃。前回ご紹介したたけのこが、まさにこの時期に旬を迎えます。

自然界が一気に活発になるこの時期、人間の体もまた、新しいエネルギーを受け取る準備をしています。

40代の体に「立夏」が教えてくれること

薬膳の考え方では、夏は「心(しん)」の季節とされています。ここでいう「心」とは西洋医学の心臓とは少し異なり、血液循環・精神活動・睡眠などと深く関わる働きを指します。

立夏を迎えると、体は春の「肝(かん)」モードから夏の「心」モードへとゆっくりと切り替わっていきます。この移行期に40代の体が感じやすいのが、次のような変化です。

  • なんとなくそわそわして、落ち着かない
  • 眠りが浅くなった気がする
  • 暑くもないのに、なんとなく体が熱っぽい
  • 気持ちが上がり下がりしやすい

これは体が悪くなったのではなく、季節の変わり目に体が正直に反応しているサインです。無理に抗わず、この時期ならではの食べ物と習慣で、やさしく寄り添ってあげましょう。

立夏の旬の食べもの

立夏の頃に体に合う食材は、熱を冷ましながら気力を補い、心を落ち着かせてくれるものです。

アスパラガス 利尿作用があり、体の余分な熱や水分を外へ促してくれます。初夏の体の「大掃除」に役立つ食材です。疲労回復を助ける成分も豊富で、連休疲れが残る体にやさしく働きかけてくれます。

カツオ(初鰹) 「目には青葉、山ほととぎす、初鰹」と詠まれるように、立夏の頃は初鰹の季節です。薬膳では血を補い、気力を高める食材とされています。たたきや刺身で旬のうちにいただきたい一品です。

アサリ 心の働きを助け、余分な熱を冷ます食材とされています。春の疲れが出やすいこの時期、ミネラルを補いながら体を整えてくれます。

八十八夜の新茶 5月2日頃の八十八夜を過ぎると、新茶の本格的な季節が始まります。「この日に摘んだお茶を飲むと長生きする」という言い伝えが残るほど、縁起のよい一番茶です。薬膳では心を落ち着かせ、気力を高める働きがあるとされています。少し温度を下げたお湯でゆっくりと蒸らして淹れた新茶を一杯。立夏の爽やかな風を感じながら味わう時間が、心と体をやさしく整えてくれます。

立夏の花と季節を表す言葉

見頃の花 立夏の頃に咲く花は、初夏の清々しさを感じさせてくれるものばかりです。端午の節句に飾られる菖蒲やカキツバタ、母の日のカーネーション、そして近年人気が高まっているバラ——どれも、この時期の暮らしに彩りを添えてくれます。

季節を表す言葉 この時期には、心に留めておきたい美しい日本語があります。

「薫風(くんぷう)」または「風薫る」——若葉の香りを運ぶ、爽やかな初夏の風のこと。この風を感じるとき、体の奥まで清々しくなるような感覚があります。

「新緑・若葉」——生き生きとした緑の美しさ。この季節の緑を眺めるだけで、目も心も洗われます。

「夏めく・夏浅し」——夏の気配を感じ始めた、まだ涼しさの残るこの時期ならではの言葉です。

立夏に取り入れたい、暮らしの整え習慣

① 朝の空気を深呼吸する 立夏の朝は、一年で最も清々しい空気のひとつです。窓を開けて、薫風を胸いっぱいに吸い込む。たったそれだけで、眠っていた体が目覚めていく感覚があります。

② 新茶を丁寧に淹れる時間をつくる 少し温度を下げたお湯で、ゆっくりと蒸らして淹れる新茶。その香りと色を眺めながら一口飲む時間が、立夏の季節をちゃんと感じるための小さな儀式になります。八十八夜を過ぎて摘まれた一番茶を、この季節にしか味わえない特別な一杯として、ぜひ丁寧に楽しんでみてください。

③ UV対策を今から始める 立夏を過ぎると、紫外線が急に強くなります。夏本番になってから慌てないよう、日焼け止めなどの「夏の備え」をこの時期から少しずつ整えておくことが大切です。

40代の肌は、春から初夏にかけての紫外線の蓄積が特に影響しやすい時期。シミやくすみ、肌のゆらぎを防ぐためにも、毎日のUVケアを習慣にしておくことが、これからの肌の状態を大きく左右します。「ちゃんと塗る」より「塗り続ける」ことが大切なので、肌への負担が少なく毎日続けやすい日焼け止めを選ぶのが40代のUVケアのポイントです。気になる方はこちらも参考にしてみてください。

40代におすすめ 日焼け止め UVケア

④ 外を15分歩く 新緑が眩しく、風が心地よいこの季節の散歩は、一年の中でも特別な気持ちよさがあります。スマートフォンをポケットにしまって、ただ歩く。体も気持ちも自然にリセットされていきます。

初夏の風とともに、軽やかに

立夏は、夏の「入口」です。

本格的な暑さが来る前の、この爽やかな時期を丁寧に過ごすことが、夏を心地よく乗り越えるための土台になります。

旬のものをいただいて、風を感じながら歩いて、肌をやさしく守る。それだけで、体は季節のリズムに乗ることができます。

初夏の薫風が、あなたの暮らしにそっと吹き込んでくれますように。その風に乗って、40代の毎日が、もっと軽やかに、もっと心地よく整っていきますように。

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