40代から知っておきたい、体のホルモンと暮らし⑦

④【美容・健康】

第7回 アドレナリンは敵じゃない。40代が「興奮ホルモン」と賢く付き合う方法

「些細なことで、心臓がドキドキしてしまう」

「気持ちが昂って、夜になっても頭が冴えて眠れない」

「緊張する場面で、手が震えたり汗が出たりする」

40代になってから、そんな体の反応に戸惑うことはありませんか。

このシリーズでは、セロトニン・ドーパミン・コルチゾール・エストロゲン・メラトニンと、体と暮らしに関わるホルモンをお伝えしてきました。今回は、「興奮ホルモン」とも呼ばれる——アドレナリンについてお伝えします。

ドキドキ、緊張、昂り——アドレナリンは、少し「やっかいなもの」に感じられるかもしれません。でも、このホルモンは決して敵ではありません。仕組みを知れば、上手に付き合い、味方にしていくことができます。

アドレナリンとは——緊急時・興奮のホルモン

アドレナリンは、副腎髄質(ふくじんずいしつ)から分泌されるホルモンで、「興奮ホルモン」「闘争か逃走のホルモン」とも呼ばれています。

その役割は、体を「いざというときに動ける状態」にすることです。危険や強いストレスを感じたとき、アドレナリンが分泌されて、心拍数を上げ、血圧を高め、筋肉に血液を送り、瞬時に行動できる状態をつくります。

太古の昔、人間が野生動物と対峙したとき、すぐに「戦う」か「逃げる」かを選べるよう、体を臨戦態勢にする——それがアドレナリンの本来の役割です。

つまり、アドレナリンは私たちの命を守るために備わった、大切なホルモンなのです。プレゼン前のドキドキ、大事な場面での集中力——そういった「 here一番」で力を発揮できるのも、アドレナリンのおかげです。

問題は、この「緊急用のホルモン」が、現代では必要以上に出続けてしまうことにあります。

ノルアドレナリンとの違い

アドレナリンとよく似たホルモンに、「ノルアドレナリン」があります。名前も働きも似ていますが、少し役割が違います。

アドレナリンは、主に体への作用が強いホルモンです。心拍数や血圧を上げ、体を行動できる状態にします。「体を動かすための興奮」をつくります。

ノルアドレナリンは、脳への作用が強く、集中力や覚醒、緊張感に関わります。「心の緊張・警戒」をつくるホルモンです。

どちらも、ストレスや興奮を感じたときに分泌され、体と心を「臨戦態勢」にします。第3回でお伝えしたドーパミンとも関わりが深く、これらは互いに影響し合いながら、私たちの「やる気」や「興奮」「緊張」を生み出しています。

大切なのは、これらのホルモンは「悪いもの」ではなく、適切なときに適切な量が出れば、私たちの力になってくれるということです。

現代生活で「アドレナリンが出すぎる」問題

本来、アドレナリンは「本当の緊急時」にだけ出るはずのホルモンでした。でも、現代の生活では、その仕組みが過剰に働いてしまうことがあります。

仕事のプレッシャー、人間関係の緊張、鳴り止まないスマホの通知、次々と押し寄せる情報——現代社会は、体に「小さな緊急事態」を絶え間なく感じさせる環境です。

命の危険がなくても、ストレスを感じるたびにアドレナリンは分泌されます。すると、体は常に「臨戦態勢」のまま、リラックスできなくなってしまいます。

アドレナリンが出すぎると、こんなサインが出やすくなります。

  • 心臓がドキドキしやすい、動悸を感じる
  • イライラ・興奮しやすい
  • 寝つきが悪い、夜中に目が覚める
  • 肩や首がこわばる、緊張が抜けない
  • 落ち着かず、ゆったりできない

「ずっと気が張っている」「リラックスの仕方を忘れた」——そんな感覚の背景に、アドレナリンの出すぎが関係していることがあります。

40代の体とアドレナリンの関係

40代になると、アドレナリンの影響を特に受けやすくなることがあります。

第4回でお伝えしたコルチゾール(ストレスホルモン)と、アドレナリンは、どちらもストレスに反応して分泌されるホルモンです。40代は、仕事・家庭・介護・自分の健康と、責任やプレッシャーが重なりやすい時期。慢性的なストレスが、これらのホルモンを過剰に分泌させやすくします。

さらに、第5回でお伝えしたエストロゲンの変動も関係します。エストロゲンには自律神経を安定させる働きがありますが、40代でこれが揺らぐと、ちょっとしたことで動悸や緊張、ほてりを感じやすくなります。「以前は平気だったのに、最近ドキドキしやすい」と感じるのは、こうしたホルモンの変化が背景にあることがあります。

これは「気が弱くなった」わけでも「衰えた」わけでもありません。複数のホルモンが関わり合って起きる、自然な変化です。だからこそ、興奮した体をやさしく鎮める方法を知っておくことが、40代の心地よい暮らしにつながります。

興奮した体を、やさしく鎮める暮らしの工夫

アドレナリンが出すぎたとき、それを鎮めるための鍵は「副交感神経を優位にすること」です。アドレナリンが「アクセル」だとすれば、副交感神経は「ブレーキ」。意識的にブレーキをかける習慣を持つことが大切です。

◎ ゆっくり深呼吸する
昂りを感じたら、まず深呼吸。特に「吐く息」を長くすると、副交感神経が優位になり、体が落ち着いていきます。4秒吸って、8秒かけて吐く——それを数回繰り返すだけで、ドキドキが鎮まっていきます。

◎ 体を温める
緊張すると、体は無意識にこわばります。温かい飲み物を飲む、湯船に浸かる、首や肩を温める——体を温めることが、緊張をゆるめてくれます。

◎ 「何もしない時間」をつくる
常に何かをしていると、体は休まりません。意識的に「ぼーっとする時間」をつくることが、アドレナリンを鎮める習慣になります。

◎ デジタルから少し離れる
スマホの通知は、小さなストレス反応を繰り返し引き起こします。寝る前や休日の一定時間、デジタルから離れることが、体の「臨戦態勢」を解いてくれます。

ハーブの力で、昂りをそっと整える

興奮した体をやさしく鎮める方法として、私が暮らしに取り入れているのが「ハーブティー」です。

温かい飲み物をゆっくりいただく時間そのものが、体をリラックスモードに切り替えてくれます。そこに、心を落ち着けるとされるハーブの香りと働きが加わると、昂った気持ちがほどけていくのを感じます。

緊張や興奮が気になるときには、カモミールやリンデン、パッションフラワーといった、心身をゆるめるとされるハーブがよく知られています。夜、なかなか気持ちが鎮まらないときに、温かいハーブティーを一杯——それだけで、体が「もう休んでいいんだ」と気づいてくれるようです。

私が気になっているのが、サントリーグループのメディカルハーブ専門店「enherb(エンハーブ)」です。メディカルハーブにとことんこだわり、より野生に近い環境で育った生命力あふれるハーブを積極的に採用している専門店です。

ホルモンバランスの乱れやすい時期のケア、眠りのお悩み、ストレスを感じやすいときなど、悩みに合わせたブレンドティーが揃っているので、「今の自分の状態」に寄り添う一杯を選べます。お薬ではなく自然なもので体調を整えたい——そんな40代の暮らしに、やさしく寄り添ってくれます。

気になる方はこちらも参考にしてみてください。

enherb エンハーブ メディカルハーブ専門店 ハーブティー リラックス 40代

アドレナリンと、上手に付き合っていく

このシリーズを通じてお伝えしてきたのは、「ホルモンを知ることは、自分の体の言葉を学ぶこと」ということでした。

アドレナリンも同じです。ドキドキや緊張を「悪いもの」として嫌うのではなく、「体が一生懸命、私を守ろうとしているんだ」と受け取る——その視点が、自分の体へのまなざしをやわらかくしてくれます。

アドレナリンは、ここ一番で力を発揮させてくれる、頼もしい味方です。大切なのは、出すぎたときに「ちゃんと鎮める方法」を持っておくこと。アクセルとブレーキ、その両方を上手に使い分けることが、40代の体と心を心地よく保つ秘訣です。

興奮しやすい自分を責めないでください。その代わり、昂りを感じたら、深呼吸をひとつ。温かいお茶を一杯。体を休ませる時間をひとつ。

そうやって、体に「もう大丈夫だよ」と伝えてあげること——それが、アドレナリンと賢く付き合っていく、いちばんやさしい方法です。

今日も、あなたの体と心が、穏やかに整いますように。

今回のまとめ

  • アドレナリンは「興奮ホルモン」。緊急時に体を行動できる状態にする、命を守る大切なホルモン
  • ノルアドレナリンは脳への作用が強く、集中・覚醒・緊張に関わる
  • 現代生活では、絶え間ないストレスでアドレナリンが過剰に分泌されやすい
  • 40代はコルチゾール・エストロゲンの変化も重なり、動悸や緊張を感じやすくなる
  • 深呼吸・体を温める・何もしない時間・デジタルから離れることが、昂りを鎮める
  • ハーブティーなど、リラックスを促す習慣を持つことが、アドレナリンと付き合うコツ

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▷ 第5回|エストロゲンが教えてくれた、私の体の変化。40代女性とホルモンの正直な話
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