「ひとつの習慣は続くようになったけど、次が増やせない」
「いい習慣をいくつも持ちたいのに、ひとつで精一杯」
「気づいたら、また同じ毎日の繰り返しになっている」
そんなふうに感じたことはありませんか。
前回の㊲では「トリガー行動」——すでにある習慣を引き金にして新しい行動を始める方法をお伝えしました。今回はその発想をさらに広げて、習慣を”連ねていく”考え方——「ハビットスタッキング」についてお伝えします。
ひとつの習慣に、もうひとつ。そしてまたひとつ。習慣を数珠つなぎにしていくことで、頑張らなくても暮らしが自然に整っていく——その仕組みを、一緒に見ていきましょう。
ハビットスタッキングとは?
ハビットスタッキングとは、「すでにある習慣に新しい習慣を積み重ね、さらにその習慣に次の習慣を連ねていく」方法です。「スタッキング」は「積み重ねる」という意味。習慣をひとつずつ積み上げ、連鎖させていく考え方です。
前回お伝えしたトリガー行動が「Aをしたら、Bをする」という1対1の紐づけだったのに対し、ハビットスタッキングは「Aをしたら、Bをする。Bをしたら、Cをする。Cをしたら、Dをする」というように、習慣を鎖のようにつなげていきます。
たとえば、こんなふうに連ねていきます。
「朝起きてカーテンを開けたら→白湯を一杯飲む→飲みながら今日の予定を確認する→確認したら軽くストレッチをする」
ひとつの習慣が次の習慣の引き金になり、それがまた次の引き金になる。一連の流れができあがると、最初のひとつを始めるだけで、あとは自然と全部が流れていきます。
トリガー行動との違い——「点」から「鎖」へ
前回のトリガー行動と、今回のハビットスタッキング。似ているようで、少し違います。
トリガー行動は「点」です。「歯を磨いたら、かかと上げをする」——ひとつの引き金と、ひとつの行動。これだけでも十分に効果があります。
ハビットスタッキングは「鎖」です。その「点」をいくつもつなげて、流れをつくります。ひとつの行動が終わると、それが次の行動の合図になる。そうやって連なった習慣は、まるでドミノが倒れていくように、自然に進んでいきます。
トリガー行動で「ひとつの習慣」を確実にできるようになったら、次のステップとして、それらをつなげて「習慣の流れ」をつくる——それがハビットスタッキングです。前回の発想を土台にした、ひとつ上の習慣術と言えます。
なぜ「重ねる」と続くのか
習慣を重ねると続きやすくなるのには、理由があります。
ひとつは、「考える回数が減る」ことです。ひとつひとつの行動を「やろうかな、どうしようかな」と判断していると、それだけでエネルギーを使います。でも習慣が鎖になっていると、最初のひとつを始めるだけで、あとは「次はこれ」と体が自然に動いていく。判断の回数が減るぶん、消耗せずに続けられます。
もうひとつは、「ひとつの習慣が、次の習慣を思い出させてくれる」ことです。「白湯を飲む」という行動が「あ、次はストレッチだ」という合図になる。だから、忘れにくい。記憶に頼らなくても、行動そのものが次の行動を呼んでくれます。
ひとつの習慣を起点に、芋づる式に整っていく——それが、習慣を重ねることの大きな力です。
40代の暮らしにハビットスタッキングが効く理由
40代の暮らしに、ハビットスタッキングは特に相性がよいと感じています。
40代は、毎日のリズムがある程度決まっている年代です。朝の支度、食事、入浴——繰り返される行動の「土台」がしっかりしているからこそ、その上に新しい習慣を積み重ねていきやすいのです。
また、40代は「やりたいこと」が増える時期でもあります。健康のためのストレッチ、心を整える時間、丁寧な食事、自分をいたわるケア——取り入れたいことはたくさんあるのに、ひとつずつバラバラにやろうとすると続かない。
そんなとき、ハビットスタッキングなら、それらを「ひとつの流れ」にまとめられます。朝の流れ、夜の流れ——いくつかの習慣を鎖にしてしまえば、「あれもこれもやらなきゃ」というプレッシャーから解放されます。
習慣の「鎖」をつくる、具体的な組み立て方
習慣の鎖をうまくつくるための、3つのポイントをお伝えします。
◎ ①「すでにある強い習慣」を起点にする
鎖の最初は、毎日必ずやっている確実な行動にします。朝起きること、歯を磨くこと、コーヒーを淹れること——これらは絶対に忘れないので、鎖の出発点にぴったりです。
◎ ②「自然な流れ」で繋げる
無理なく繋がる順番にすることが大切です。「白湯を飲む→ストレッチ→着替え」のように、動線や場所が自然につながる順番だと、スムーズに流れます。バラバラの場所を行き来する組み立ては続きません。
◎ ③ 最初は「2〜3個」までにする
いきなり10個も繋げようとすると、鎖が重くなって続きません。まずは2〜3個の小さな鎖から始めて、慣れてきたら少しずつ伸ばしていく。短い鎖を確実に回すことが、長続きの秘訣です。
朝・夜の「習慣の鎖」実践例
具体的な「習慣の鎖」の例をご紹介します。自分の暮らしに合わせてアレンジしてみてください。
朝の習慣の鎖
カーテンを開ける → 白湯やコーヒーを一杯飲む → 飲みながら今日の予定を3つ確認する → 軽くストレッチをone → 朝食をとる
夜の習慣の鎖
夕食を終える → 食器を片付ける → お風呂に入る → 出たら股関節ストレッチを1つ → スキンケアをする → 布団に入って今日できたことを1つ思い浮かべる
こうして書き出してみると、ひとつひとつは小さな行動です。でも、これが「流れ」になっていると、最初の動作を始めるだけで、あとは自然に全部が進んでいきます。
「健康習慣」を鎖に組み込む
習慣の鎖に、「健康のための小さな一品」を組み込むのもおすすめです。
たとえば、毎朝のコーヒーは、多くの方にとって確実な習慣のひとつ。その「コーヒーを淹れる」という行動に、健康習慣をそっと重ねることができます。
私が気になっているのが、食物繊維が摂れるコーヒーです。日本人は1日に必要な食物繊維(19g以上が目標)に対して、実際には14g程度しか摂れていないとも言われています。野菜をたくさん食べるのはなかなか大変ですが、いつものコーヒーで補えるなら、無理なく続けられます。
ブルックスの「カフェサプリ 食物せんい」は、コーヒー1杯で約4g(バナナ3本分、トマト2個分に相当)の食物繊維が摂れる健康応援コーヒーです。厳選した高級銘柄のコーヒー豆を使い、ドリップバッグタイプなので、いつものコーヒーと同じように楽しめます。
「朝コーヒーを淹れる」という確実な習慣に、「食物繊維を補う」という健康習慣を重ねる——まさにハビットスタッキングの実践です。サプリメントが苦手な方や、手軽に野菜不足を補いたい方にも取り入れやすい一杯です。
気になる方はこちらも参考にしてみてください。
今日から、ふたつだけ繋げてみる
ハビットスタッキングは、いきなり長い鎖をつくる必要はありません。今日から、ふたつだけ繋げてみてください。
「すでに毎日やっていること」をひとつ選ぶ。その後ろに「やってみたい小さな行動」をひとつくっつける。それができたら、さらにもうひとつ。
前回のトリガー行動で「ひとつの紐づけ」ができた方は、もう鎖をつくる準備ができています。その紐づけに、もうひとつだけ足してみる——それだけで、習慣は「点」から「流れ」に変わっていきます。
頑張って増やそうとしなくていい。気合いを入れなくていい。ただ、すでにある流れに、小さな行動をそっと足していくだけ。
その積み重ねが、40代の暮らしを「あれこれやらなきゃ」から「気づいたら整っていた」に変えていきます。
ひとつの習慣が、次の習慣を連れてくる。その連なりが、これからの毎日をじんわりと、確かに整えていきます。
今日、あなたの習慣の鎖に、小さな輪をひとつ足してみてください。
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